知財風塵録

経営者、産学連携コーディネーター・URA、発明者(研究者・開発者)が知っておきたい知的財産と特許の世界

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経営者向け

発明の新規性喪失の例外の規定(特許法第30条):6月から1年へ延長?

特許出願において発明の新規性喪失の例外の規定(特許法第30条)というものがあります。特許出願前に学会発表等をしてしまった場合を想定しており、一定期間内(6月以内)であれば、自己の行為によって新規性を失ってしまった発明であっても、新規性を失…

日本国特許法改正(グレースピリオド・存続期間延長等)とトランプ大統領とTPP

著作権法改正とは異なり、一般的な話題とはなりませんでしたが、TPP対応のための日本国の法改正として、特許法改正も国会を通っておりました。もちろん、トランプ大統領の決定によるTPPの不発効で、この特許法改正も(このままの法律としては)施行さ…

日本国著作権法改正(非親告罪化・保護期間延長等)とトランプ大統領とTPP(2)

TPPとともに(少なくともいったんは)消えた著作権保護期間延長ですが、これについては消えて当然という印象のかたも多いでしょう。保護期間が著作者の死後70年へと延長されたとすると、日本人の平均寿命男性80.79歳女性87.05歳(2015年)ですから、単純…

著作権法改正(非親告罪化・保護期間延長等)とトランプ大統領とTPP

昨年にはネットでも話題となった著作権の非親告罪化や保護期間延長等の法改正ですが、日本で国民がどのように議論したところで、TPPに入る以上は国民にはその法改正を拒む手段はない、という状態となっていました。TPPは秘密交渉でしたから、この過程…

英国(イギリス)のEU離脱と欧州特許(ヨーロッパ特許)補足:英国特許権と欧州特許

先のブログ記事「英国(イギリス)のEU離脱と欧州特許(ヨーロッパ特許)」: www.fujinroku.com のなかで、現状維持となる、とご説明したのですが、背景知識を踏まえて、少し補足してご説明します。 英国の特許権は、英国の法律に基づいて発生し、英国内で…

英国(イギリス)のEU離脱と欧州特許(ヨーロッパ特許)

英国(イギリス)がEU離脱することから、欧州特許(ヨーロッパ特許)についてどのようになるかについて問い合わせを受けることが最近たびたびあるのですが、結論から言えば、現状維持となります。 ヨーロッパで特許権を取得するために、欧州特許庁(ヨーロ…

知財経営(知的財産経営)について(1):

知財経営(知的財産経営)という言葉がありますね。 これはいったい何を指しているのでしょうか。 工場経営、とか、商社経営、とか、そういった言葉とはニュアンスが違いそうです。 知財経営、と表現した場合には、「知財」は経営する対象というよりも、経営…

ブログ記事の話題のリクエストを受け付けています

ブログ記事の話題のリクエストを受け付けています。ブログ記事の話題としていただいたリクエストは、必ず取り上げるというお約束はできないのですが、ブログ記事の話題を選ぶにあたって参考にさせていただきます。 はてなユーザーのかたははてなIDでログイ…

事業実施確保と製品の保管(3):特許出願について

自社の実施の事業の継続を確保するための「製品の保管」は、「事業の記録」と読み替えて、それぞれの事業にあわせて、工夫するしかありません、とご説明しました。 この場合に、ある程度、一律の手段で、自社事業実施継続の確保手段となるのが、特許出願です…

事業実施確保と製品の保管(2):保管できない製品について

事業実施確保のために、製品を保管するとは言っても、製品が何でもよいから日付を確定して保管しておきさえすればよい、というものではありません。 例えば、製品が、巨大であったり、危険であったり、変質しやすかったり、単価が高かったり、その他の理由で…

事業実施確保と製品の保管(1):製品を保管しておけばよいのか

以前に掲載した「切り餅事件(特許)から学ぶこと」の一連のブログ記事において、上下面と側面の両方にスリットが入ったパック入り「切り餅」製品を、発売当時に、日付を確定できるように準備して保管しておけばよかった、という結論をご説明しました。 この…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(10):まとめ

切り餅事件には、いろいろな場面があって、学ぶことはとても多いのですが、全体の分水嶺となった知財高裁の中間判決に基づくと、主としてB社の側の立場を参考にして、次のようなことを学ぶことができます。 もし、B社が、A社の特許権の出願日に先んじて発…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(9):B社の対応からさらに学ぶポイント

B社が受けたような判断を受けないためには、訴訟事件となる以前の段階で、このパック入り「切り餅」の日付を発売当時に確定しておくことの他に、対応準備となるような選択肢はあったでしょうか。 それは、B社も行っていたような、特許出願です。 B社があ…

熊本地震の発生に伴う各国・地域の知財庁の救済措置等について

日本国特許庁から、平成28年(2016年)熊本地震の発生に伴う各国・地域の知財庁の救済措置等について、さらにアナウンスされています: www.jpo.go.jp 2016年6月3日現在、以下のような各国・地域が掲載されています: 台湾智慧財産局(台湾)の救済措置等に…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(8):B社の対応から学ぶポイント

B社とA社との上記の争いのポイントは、つまるところ、側面にスリットが入った「切り餅」が、A社の特許権の出願前に、発売されていたことを示せるかどうか、でありました。それを示せれば、B社の勝ち、示せなければ(他に争いはあるにせよ)A社の勝ちと…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(7):B社の対応について

B社が受けたような判断を受けないためには、訴訟事件となる以前の段階で、どのように対応しておけばよかったのでしょうか。 会社の代表取締役などは、新聞記事のインタビューを受けないほうがよい、のでしょうか。 もちろん、それは本末転倒です。メディア…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(6):裁判所の判断について

このような知財高裁の判断は、真実を言いあてたものであったのか、と気にされるかたも多いかと思います。 また、B社について、不正な企みを暴かれてしまったのか、それとも、正当な振る舞いをしているのに、それが認められなかったのか、と気にされるかたも…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(5):知財高裁の判断について

しかし、知財高裁は、B社の主張を認めませんでした。 知財高裁は、B社の何らかの製品が平成14年10月21日に発売されたことは認めたうえで、それが公証人に提出されたものと同一の製品(上下面だけではなく側面にもスリットが入った切り餅)であること…

「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)」:特許庁アナウンス

特許庁から次のようなアナウンスがされています:「自らの商標を他人に商標登録出願されている皆様へ(ご注意)」: www.jpo.go.jp これによると、「最近、一部の出願人の方から他人の商標の先取りとなるような出願などの商標登録出願が大量に行われています…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(4):B社の証拠の内容について

B社が提出した事実実験公正証書には、B社が公証人へ提出したパック入り「切り餅」がどのようなものだったかが記載されており、以下のことが述べられていました: ・開封された様子のない外袋の中に、個包装された切り餅20個が入っていたこと ・切り餅は…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(3):B社の主張と証拠について

B社の主張は、なぜ知財高裁に認められなかったのでしょうか。直接的な理由は、B社の提出したポイントとなる証拠が、知財高裁に採用されなかったことです。証拠が採用されなければ、その証拠に基づいた主張は理由のないものとなり、認められないことは当然…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(2):事件の経緯

B社が、A社の特許権を無効であるとした根拠は、A社の特許発明を使用した切り餅は、A社が特許出願する以前に、すでにB社が製造販売していた、というものです。特許出願前に製造販売されていた切り餅に使用されていた技術であれば、特許出願前に既に世の…

切り餅事件(特許)から学ぶこと(1):事件の概要

切り餅事件をご存じでしょうか。切り餅業界大手のA社(原告・特許権者)が、同じく切り餅業界大手のB社(被告)を特許権侵害で訴えた事件です。最終的にA社の訴えに対して、訴額よりは遥かに少なかったものの、A社の年間経常利益の数倍に及ぶ損害賠償額…

AbemaTV(商標)事件に学ぶこと(5)補足

AbemaTV(商標)事件について補足します。先に述べた事項に加えて、この事件からはさらに学ぶべき点があります。 例えば、A社は、グリーンの犬に似た動物キャラクターを、自社とそのサービスで使用するキャラクターとして、2015年4月から使用し…

AbemaTV(商標)事件に学ぶこと(4)まとめ

事業を開始する場合に、製品やサービスの商標を、他者の権利を侵害することなく、自社が使用できるように確認し、さらに商標権を取得しておくことは重要です。もし、事業を開始した後に、それまで使用していた商標を使用できないことになると、その時点まで…

AbemaTV(商標)事件に学ぶこと(3)A社の対応

以上を踏まえて、A社の対応について考えてみます。A社は、これらの事情の元で、あえて外国のサービスと同名で事業を開始することなく、名称を変更して商標出願し、サービスを開始することにしました。2015年4月時点で考えた対応としては、これは妥当…

AbemaTV(商標)事件に学ぶこと(2)事件の経緯

海外サービスのAmebaTVは、2007年に設立されたカナダのインターネット動画サービスで子供向け教育番組を放送しているようです。ameba.tvやamebatv.comのドメインも取得して放送事業を行っているようで、商標やドメインを単に所有しているだけでは…

AbemaTV(商標)事件に学ぶこと(1)事件の概要

2016年4月からインターネット放送局「AbemaTV」がサービス開始しましたね。この開局で主体となっているA社が「Amebaブログ」というブログサービスで有名であったところから、ネットで話題になっていたのが「なぜAmebaTVではなくて…

「イソジン(登録商標)」事件から学ぶこと(6)補足

「イソジン(登録商標)」事件について補足します。 「イソジン(登録商標)」事件では、商標権の保有とそのライセンス(使用権契約)の満了については、A社側(商標権者側)及びB社側(使用権者側)とで、見解の違いはないようです。 にもかかわらず、お…

「イソジン(登録商標)」事件から学ぶこと(5)まとめ

「イソジン(登録商標)」事件から学ぶことはいろいろあるかと思いますが、A社側(商標権者側)及びB社側(使用権者側)について考えた場合に、学ぶことは先にご説明した通りです。 登録商標の所有者(商標権者)と、その商標の使用にあたる事業の実施者(…