知財風塵録

経営者、産学連携コーディネーター・URA、発明者(研究者・開発者)が知っておきたい知的財産と特許の世界

インド商標出願が放棄された扱いになる事件(インド商標出願されたかたは至急ご覧ください)

 インド特許意匠商標総局(the Office of the Controller General of Patents, Designs & Trade Marks (CGPDTM))が、この数週間に、多数の商標出願を放棄されたと取り扱う(treat as abandoned)措置をとっているようです。対象となったのは、オフィスアクションに対し応答がされていない商標出願であるそうなのですが、驚くべきことにこの事実を、同局の公式ウェブサイトにのみ掲載して、出願人や代理人に対して書面通知していないようです。
 誤って放棄と扱われた出願は、出願人及び代理人に陳述の機会を与えるそうですが、この陳述は2016年4月30日までにしなければならないとのことです:
 http://www.ipindia.nic.in/iponew/publicNotice_04April2016.pdf
 インドで商標出願されたかたは、至急に代理人にご確認いただくことをお薦めします。

 なお、デリー裁判所は、これに対して、法律に規定された書面通知を行わずに商標出願を放棄してはならないこと、を示した裁判所命令(Order)を2016年4月5日付けで出しているようですが、どのように取り扱われるかは、わかりません:
 http://delhihighcourt.nic.in/dhcqrydisp_o.asp?pn=74080&yr=2016

 外国ではしばしば日本の制度に親しんでいる観点からすれば、あり得ないようなことが起こるのです。