知財風塵録

経営者、産学連携コーディネーター・URA、発明者(研究者・開発者)が知っておきたい知的財産と特許の世界

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AbemaTV(商標)事件に学ぶこと(4)まとめ

 事業を開始する場合に、製品やサービスの商標を、他者の権利を侵害することなく、自社が使用できるように確認し、さらに商標権を取得しておくことは重要です。もし、事業を開始した後に、それまで使用していた商標を使用できないことになると、その時点までに事業で努力して蓄積した信用を、放棄することになってしまいます。
 事業開始時に希望した商標の使用が確保できれば一番よいのですが、希望した商標を使用することにはリスクが大きい、ということが事前にわかれば、事業開始前に思いきってネーミングを変更してしまうのが、最悪の事態を回避するためには有効です。
 もちろん、商標権者等からライセンスを受けるという手段もありますが、「イソジン」事件でもお話ししたように、自社所有でない商標権に基づく事業には、長期的には無視できないリスクがあり、事業開始時に回避できるようであれば、それが最善です。
 新規事業に参入する場合に、それまで行ってきた事業で使用していた商標とよく似たネーミングを採用して、スタート時点から一定の信用を得られるようにしておこう、という戦略は当然のことですが、それを可能にするためには、それに先立つ商標権の確保や商標の使用の工夫が必要となります。
 もちろん、先を見通して、そのような権利や使用の確保を行っていればよいのですが、必ずしも使う予定のない登録商標をたくさん抱え込んでいても、費用の負担感は大きいですし、それを全世界的に準備し維持するとなると、現実的ではありません。
 事業開始前に思いきってネーミングを変更して、最悪の事態を回避したという点を、この事件から学ぶことができますね。