知財風塵録

経営者、産学連携コーディネーター・URA、発明者(研究者・開発者)が知っておきたい知的財産と特許の世界

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事業実施確保と製品の保管(1):製品を保管しておけばよいのか

 以前に掲載した「切り餅事件(特許)から学ぶこと」の一連のブログ記事において、上下面と側面の両方にスリットが入ったパック入り「切り餅」製品を、発売当時に、日付を確定できるように準備して保管しておけばよかった、という結論をご説明しました。

 この製品の保管は、言うまでもなく、製品によってやるべきことが変わってきます。これが現実の業務(実務)の難しいところです。

 一般に、保管によって、変質等してしまうもの、例えば食品などは、長期保管はなかなかに難しいと思われます。
 パック入り切り餅は、比較的に長期保管が可能な製品であったわけですが、それでも通常は十年超は想定していないように、思われます。側面のスリットの有無、といった態様は、外観から判断できて、保管による成分の変質等があっても、その外観は維持される可能性があるように、思われますが、それでも成分の変質によってぼろぼろと崩れてしまえば、保管開始時に側面のスリットがあったのかなかったのか、はっきりとしない、という状態になる可能性もあったでしょう。

 また、パック入り切り餅についての発明であっても、問題となっている特許権の発明が、外観ではなく、その成分についての発明であったとしたら、長期保管による成分の変質等に起因して、その発明を実施した製品であったのかなかったのかについて、後からは何の情報も得られない状態になっている可能性もありました。

 だから、製品が何でもよいから日付を確定して保管しておきさえすればよい、というものでもないのです。