知財風塵録

経営者、産学連携コーディネーター・URA、発明者(研究者・開発者)が知っておきたい知的財産と特許の世界

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切り餅事件(特許)から学ぶこと(8):B社の対応から学ぶポイント

 B社とA社との上記の争いのポイントは、つまるところ、側面にスリットが入った「切り餅」が、A社の特許権の出願前に、発売されていたことを示せるかどうか、でありました。それを示せれば、B社の勝ち、示せなければ(他に争いはあるにせよ)A社の勝ちというルールの争いになっていました。

 この意味で、B社が公証人へ提出したパック入り「切り餅」は、ひょっとしたら決定的な証拠ともなった可能性のある証拠でした。

 中間判決で確定されることなく、徹底的な科学分析の主張立証がさらに行われれば、ひょっとしたら、有利な証拠ともなった可能性もありますが、
 実のところ、そのようなことがなされなくても、手順を追った保管さえしてあれば、それだけで決定的な証拠となっていたことでしょう。

 つまり、発売当時にそれを公証人に持ち込んで、日付を確定しておけば、よかったのです。

 そうすれば、それ以外にどんな不利な事情があろうとも、発売当時にそのパック入り「切り餅」が存在していたことを覆す根拠とはなり得ませんでした。

 いざ事件が生じてから、パック入り「切り餅」を公証人に持ち込んでも、公証人が示せるのは、持ち込まれた日時においてそのようなパック入り「切り餅」があったこと、外袋に昔の日付が印刷されていたことに過ぎません。

 発売当時に日付を確定しておくことが決定的なポイントであったことを踏まえたうえで、この他にさらに、どのような対応の選択肢があったかを次に考えてみましょう。